頸部脊柱管狭窄症について
こんにちは。ふかざわ痛みのクリニック 院長の深澤です。
脊柱管は、脳とつながる太い神経が通る、背骨の中心にある管です。
頸部脊柱管狭窄症は、首の部分の脊柱管が狭くなって、脊髄や、脊髄から神経が枝分かれする神経根を圧迫し、首・肩・腕・手などに痛みやしびれが出る疾患です。
原因
・加齢や力仕事による背骨の変形、椎間板の膨張、靭帯の肥厚
・先天性の脊柱管の形状
・過去に受けたけがによる首の捻挫 など
症状
初期症状
首や肩甲骨に、痛みやこりを感じます。首を動かすと強く痛むケースもあります。
中期症状(神経症状)
脊柱管の狭窄が進むと神経症状が現れます。この状態は、頸椎症性神経根症と呼ばれます。神経根が障害を受けて首・肩・手に、痛み・しびれ・脱力などの症状が現れます。
末期症状(運動障害など)
進行すると、運動障害や下肢への症状が起きます。この状態は、頸椎症性脊髄症と呼ばれます。
両方の手足がしびれ、動かしにくくなります。また、ボタンをかけたり箸を使ったりといった両手を使う細かい作業がうまくできなくなることもあります。さらに進行すれば、排尿や排便、階段の登り降りも難しくなるため、少しでも早い治療をおこないましょう。
治療
薬物療法
消炎鎮痛薬・ビタミンB12製剤・神経障害性疼痛を緩和する薬剤などによって治療します。
星状神経節ブロック
首の交感神経が集まるところに局所麻酔薬を注入し、交感神経の緊張と痛みを抑えます。 周囲の血行が改善し、炎症が引くことで痛みが和らぎます。
頚部硬膜外ブロック
頚部の硬膜外腔(脊柱管内)に麻酔薬などを注入し、頚部の神経を広い範囲でブロックするとともに、血流などを改善させる効果もある治療法です。当院では、X線透視(レントゲン)下に、造影剤を用いて薬液の拡がりを確認しながら、より安全な方法で行なっています。
神経根ブロック
痛みの原因となっている神経根周囲に直接麻酔薬などを注入し、神経の炎症を抑え、痛みを改善します。当院では、経験豊富な専門医による技術で、超音波ガイド下に神経を直接観察しながら、その周囲に確実に投与する方法で行なっています。
手術療法
筋力が激しく低下したケースや、日常生活を送れないほど激しく痛むケースは手術が必要です。手術が必要となった患者さまへは、提携している高度医療機関をご紹介いたします。
まとめ
頸部脊柱管狭窄症は、進行すると日常の些細な動きも制限されてしまいます。神経ブロック療法で効果が期待できる時期になるべく早くクリニックへお越しいただければと思います。
少しでも気になる方は、お気軽にご来院ください。