肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)について
こんにちは。ふかざわ痛みのクリニック 院長の深澤です。
年齢を重ねると肩をあげづらくなり、洗濯物が干しづらくなったり、背中のファスナーをあげられなくなったりすることがあります。40代なら四十肩、50代なら五十肩と呼びますが、どちらも肩関節周囲炎として、大きな違いはありません。
四十肩・五十肩には、急性期・慢性期・回復期の3段階があります。
原因
加齢によって、肩関節の周囲の組織に炎症が起こり、肩関節の動きをよくする肩峰下滑液包や関節包が癒着することで発症するとされています。
要するに、骨・軟骨・靭帯・腱などの老化が原因です。
症状
急性期
発症からしばらくは炎症が強い傾向にあります。そのため、急性期である数週間〜数か月は、肩から腕全体にかけて、安静にしていても痛みを感じます。
とくに、腕を大きく動かすと激しい痛みが生じるため、腕をあげられなくなります。痛みで夜寝付けなくなったり、夜中に目が覚めたりする方も少なくありません。
慢性期
慢性期に入ると、腕を大きく動かしたときには痛みが生じるものの、安静にしているときの痛みは和らいできます。
ただし、急性期の激しい炎症によって、筋肉が収縮して関節が硬くなっている状態です。そのため、肩関節の可動域が狭くなり、腕を動かしづらくなります。
回復期
回復期に入ると、痛みが改善して徐々に腕を動かせるようになります。少しずつ段階を踏みながら、通常、半年〜1年ほどで回復します。
治療
薬物療法
非ステロイド系消炎鎮痛剤やトラマドール製剤などの内服薬や湿布などを用いて炎症を取り除きます。
注射療法
ヒアルロン酸やステロイド薬、局所麻酔薬を肩関節内や肩峰下滑液包内に注射することで、痛みや癒着を改善します。当院では超音波ガイド下に薬液を注入する方法で行なっており、より確実に、安全に施行するように努めております。
腕神経叢ブロック
首・肩・腕につながる神経の束が集まる鎖骨の少しうえに麻酔薬を注入します。
肩甲上神経ブロック
肩甲骨の上部に位置する、肩関節やその周辺への豊富な知覚神経を有する肩甲上神経に麻酔薬を注入します。
リハビリ療法
炎症が治まってきたら、リハビリテーションによる肩関節の動き改善を取り入れます。
まとめ
四十肩・五十肩の多くは、自然に治っていくものです。しかし、放っておいてよいものではありません。正しい治療をせずに放置すると、四十肩・五十肩自体は治っても、周囲に運動障害が残る可能性があるからです。
四十肩や五十肩かなと思ったら、いつでも当クリニックへお越しください。